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THE FINALS 2002 優勝レポート
文:中村修平 1/04/03
デッキがなかなか決まらない。
今回のファイナルズを一言で表すとしたらその一言でした。
12月の初旬から岡本弘毅と延々とデッキの調整をしていましたが、岡本があっさりと調整デッキを絞ったのに対し、 私の方はミラーリの目覚め、青黒ゾンビアップ、赤緑ビートダウン、青緑マッドネス…
と新たにデッキを作っては、それに対して致命的なデッキを発見して解体するのを繰り返していました。
しかしいざ予選が始まってみると上位デッキは私の予想とは大きく異なった物だったのです。
一つは赤の凋落。大阪予選と東京1次、2次、3次ではサイクリングを除いて赤を使用して通過できたのは わずか2〜3人でした。
もう一つが調整段階で弱いと感じて切り捨てた青黒激動デッキの躍進。
この結果を受けておおよその方向性が定まりました。
白緑、青黒、サイクリングがメタゲームの中心に、そして赤系を切ることにしました。
ですがこの時点でもまだ問題点がありました。この3つに勝てるデッキが無かったのです。
当然と言えば当然です、白緑は高速、サイクリングは中速、青黒は低速とデッキタイプが全然違うのです。
そんなどんなデッキでも対処できる理想的なデッキがあれば誰も苦労しません。
とりあえずは青黒には弱いものの白緑とサイクリングに勝てるミラーリの目覚めを本命に、デッキ的には イマイチなもののサイクリングには勝てる。
青黒ゾンビアップを対抗として調整することになりました。
ところがファイナルズの直前、クリスマスも終ってファイナルズまで残すところあと2〜3日になった頃、 岡本が調整していた黒コンが理想に近いデッキに浮上してきたのです。
元来、岡本弘毅式黒コンは対コントロール拠りの作りになっており白緑相手に苦戦していたのですが対策として 入れた《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》投入により状況は好転しました。
いや好転どころか予選を勝ち抜いている殆どのビートダウンデッキがアーティファクト対策を立てていない為、 《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》を出して手札を0にする=勝ちという事態すら発生しました。
つまり高速と低速に対応できるデッキが出来た訳です。
対サイクリングについても岡本の意見を聞いてる内にそんなに分が悪い勝負じゃないと感じ、デッキを提供しても らったのが本戦1日前の夜行列車の中でした。
ニャンゴスチンby岡本弘毅
4《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator(ON)》
2《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》
3《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)》
4《燻し/Smother(ON)》
3《もぎとり/Mutilate(TO)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
4《強迫/Duress(7E)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
3《占骨術/Skeletal Scrying(OD)》
2《魔性の教示者/Diabolic Tutor(OD)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
3《堕落/Corrupt(7E)》
23《沼/Swamp》
3《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers(TO)》
サイドボード
1《激浪の複製機/Riptide Replicator(ON)》
3《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
2《ミラーリ/Mirari(OD)》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague(7E)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
試合結果
1回戦 サイクリング(黒田式サイドボード)×○×
2回戦 黒赤コントロール○○
3回戦 サイクリング(黒田式サイドボード)○××
4回戦 白緑○○
5回戦 白緑×○○
準々決勝 白緑○×○
準決勝 白緑黒コントロール×○○
決勝 緑黒赤リアニメーター○×○
結果の方は経験不足からの判断ミスもあり同行者のチーム爆雷の2人に負け3−2でした。
また蓋を空けてみると会場全体で青黒の使用者は殆ど無く、結果的にはミラーリの目覚めデッキの方が 予選ラウンドは楽だったかもしれません。
しかしデッキのポテンシャル的には4−1どころか5−0も可能だったと思います。
「忘れられた頃の黒コンこそ最強のデッキ」とはこのデッキの製作者であり、去年の日本選手権で黒コンを駆使し てTOP8に入った岡本弘毅の言です。
以下は各アーキタイプとのマッチアップの雑感と実際に対戦した時、あるいは想定しておいた サイドボーディングです。
これについても練習期間が短かったため大幅に岡本弘毅の理論を踏襲しています。
またファイナルズ前のメタゲームを前提にしているので現在は、特に《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》では簡単に勝たせてもらえないと 思います。
対白緑
黒コンがファイナルズ直前にあった
黒とアーティファクト軽視の風潮を最大限に享受できた相手です。
メインでは《解呪/Disenchant(7E)》を代表とするユーティリティーカードはほとんど入っておらず、入っていたとしても《帰化/Naturalize(ON)》より サイクリングに分が良い《天啓の光/Ray of Revelation(JU)》にスロットを割きがちです。
そのため《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》を出せれば、ほぼ勝ちが確定します。
その後は《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》からのライブラリーアウト戦略なり場を綺麗にしてから《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》のバックアップをもとに 《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator(ON)》でビートダウンもよいでしょう。
ただし相手先攻が場合、1ターン目マナクリーチャーから高速展開のパターンだけは注意してください。
サイド後も《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》への根本的な解決策が少ないため罠の橋ゲーなのは変わりません。
《たい肥/Compost(7E)》を貼られても状況は同じです。
何枚でもカードを引かれても構いませんので自分の廻りを優先してください。
勝率は相手のデッキに《帰化/Naturalize(ON)》が入っていないなら8:2。
入っていれば7:3あたりです。
サイドアウト
1《堕落/Corrupt(7E)》(好みによって《占骨術/Skeletal Scrying(OD)》)
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
サイドイン
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague(7E)》
対青黒
このデッキの存在が私がファイナルズ直前でミラーリの目覚めデッキを放棄して黒コンを選択した最大の理由です。
ファイナルズ直前のメタゲームの結果、青黒に《行き詰まり/Standstill(OD)》、《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator(OD)》を搭載 したタイプが主流になりつつありました。
これらのカードは本来クリーチャー戦を意識して投入されたカードですが、副次的な結果としてミラーリの目覚めデッキ等中速 デッキに対しても非常に良く効きました。
ですが《ゾンビの横行/Zombie Infestation(OD)》と《強制/Compulsion(TO)》を捨てた事により元来、圧倒的不利 な立場だった黒コンが付け入る隙が出来ました。
更に《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator(ON)》の存在が大きな追い風となっています。
《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator(ON)》は不死身のアタッカーとして何度でも甦り、アップキープ限定と 制約は付きますが強制と同じ働きをし、 《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》のフラシュバックにも気がねなく使う事が出来ます。
正直フラッシュバックのメリットはおまけ程度の物ですが、アップキープ中のサイクリングは従来の 黒コンの問題点であった、パーミッションデッキに対して除去が手札に腐る事を回避することに成功しています。
勝率は黒コン側で6:4前後。
相手が《行き詰まり/Standstill(OD)》、《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator(OD)》型なら7:3程度まで上がりサイド後 は更にこちらが有利になります。
OBCの頃の相性からは完全に逆転していると言って良いでしょう。
サイドアウト
2《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)》
1《燻し/Smother(ON)》
3《もぎとり/Mutilate(TO)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
2《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》
サイドイン
3《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
2《ミラーリ/Mirari(OD)》
対青緑
黒コンから見ると白緑から《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)》と《復仇/Reprisal(7E)》が抜けたかわりにカウンターが搭載されたタイプです。
こちらのリセットスペルをカウンターされるとその時点で負けが確定することがありますが、《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers(TO)》経由での 高速ヴィサラで完封できるのでそう悪い相手ではありません。
また白緑同様メインからはアーティファクトを対処できないの場合がほとんどなので《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》でも勝負が簡単に決まります。
サイド後は白緑に比べて帰化が入ってくる可能性が高く、また場がどんなに押していても《激動/Upheaval(OD)》でひっくり返される場合もあり苦しい勝負になります。
それと白緑と違い《たい肥/Compost(7E)》が非常に厄介な存在になる事に留意してください。
勝率は《激動/Upheaval(OD)》が入っていなければ6:4。
入っていれば5:5です。ただし相手が先攻で激廻りした場合絶対に勝てません。
サイドアウト
1《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator(ON)》
1《占骨術/Skeletal Scrying(OD)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
サイドイン
3《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague(7E)》
対サイクリング
《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》次第です。
序盤のハンドディストラクションも有効ですが、サイクリングデッキの醍醐味であるサイクリングしつつ ライブラリーの上からエンチャントを引いてくる形に持っていかれると非常に辛いです。
またこの相手に対しても《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》が効果的です。
クリーチャー対策は《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》に任せてなるべく早く各種サイクリングカードか エンチャントを墓地に落とした上での《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》を打ち込んで下さい。
サイクリングカードの7〜8割程度をリムーブする事ができればほぼあなたの勝ちです。
また1本目に限り《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》が場に出てる状態で《稲妻の裂け目/Lightning Rift(ON)》を リムーブできれば対戦相手は勝ち手段が喪失する筈です。
ただし《地図作り/Cartographer(7E)》だけは別です。
《地図作り/Cartographer(7E)》が場にある状態で《霊体の地滑り/Astral Slide(ON)》が出てしまうとその後の展開 が絶望的になります。
除去できるタイミングがあれば即座に除去して下さい。
勝率は3戦すると5:5前後ですがややこちらが分が悪いです。
サイドアウト
3《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)》
3《もぎとり/Mutilate(TO)》
2《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》
1《燻し/Smother(ON)》
サイドイン
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
2《ミラーリ/Mirari(OD)》
サイド後は2通りに分かれます。
もし相手がクリーチャーシフトならば《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》と《燻し/Smother(ON)》を1枚ずつ入れ直し《ミラーリ/Mirari(OD)》を抜いて下さい。
また先攻ならば《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)》を投入するのも良いでしょう。
対ミラーリの目覚め
苦しい対戦相手です。
ミラーリの目覚めを貼られてしまうと《燃え立つ願い/Burning Wish(JU)》からの《火猫の襲撃/Firecat Blitz(JU)》で簡単にゲームが終ってしまいます。
基本的に1本目は捨てる覚悟が必要です。
サイド後はカウンターの事を考えずガンガン攻めてください。
勝率はマッチアップを試した事が無いのでわかりませんがサイド前は3:7。
サイド後は5分程度にまで取り返せるはずです。
サイドアウト
1《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)》
4《燻し/Smother(ON)》
3《もぎとり/Mutilate(TO)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
サイドイン
3《ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
2《ミラーリ/Mirari(OD)》
対スライ
非常に厳しいマッチアップです。
《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》のおかげで《もぎとり/Mutilate(TO)》でリセットした返しの 《焦熱の火猫/Blistering Firecat(ON)》や《無謀なる突進/Reckless Charge(OD)》からの速攻で死亡というパターンを回避できますが、 それでも勝率は3:7〜4:6の間です。
1発目の《堕落/Corrupt(7E)》を打てるかどうかが勝負の分かれ目でしょう。
サイドアウト
2《占骨術/Skeletal Scrying(OD)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(TO)》
1《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》
1《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)》
2《強迫/Duress(7E)》
サイドイン
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague(7E)》
2《罠の橋/Ensnaring Bridge(7E)》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》
1《堕落/Corrupt(7E)》
サイドボードで《強迫/Duress(7E)》と《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JU)》の比率を変更しているのは、ハンドアドバンテージの重視よりもこれ持っていられたら死ぬという危険を回避する為です。
常に自分の残りライフに注意して《堕落/Corrupt(7E)》を撃てるまで生き残る事を主眼においてください。
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